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自分の歯が全くないがインプラントだと高くなる?
みなさまこんにちは。
祖師ヶ谷大蔵駅前歯科・矯正歯科 歯科医師 大西です。患者さんからよく聞かれる質問として「歯が全くないけどインプラントだと高くなりますか?」という質問を受けます。
過去に朝日新聞に寄稿した記事からになります。
質問内容が患者様からもよく聞かれる内容のため、加筆修正してブログに投稿させていただきます。【質問】
自分の歯が全く無いのですが、やはりインプラント(自由診療)の治療をすると高額治療になってしまうのでしょうか?【回答】
インプラントはほとんどのケースで健康保険は使えません。(口腔がんなどを一部のものは除きます)
そのため、自由診療になると保険診療と比べて自己負担額はどうしても大きくなってしまいます。今回、質問者様は全く歯がないとのことなので保険診療ではプラスチックの総入れ歯での治療法になります。
歯茎にのせて食べるのが入れ歯です。
入れ歯が人工の歯茎の部分でお口の歯茎にくっつけます。
カチッとくっつくわけではないため、入れ歯が大きくて話しにくい、入れ歯そのものが歯に固定されていないので動きやすいのが欠点です。それを解消するために歯茎にボルトを手術で入れるのがインプラントになります。
ただし保険外の診療になるため治療費は保険診療より負担が大きくなります。
自分の歯が全くない状態から歯をすべてインプラントにすると何本必要になるでしょうか?
通常、生えてくる歯は上顎14本、下顎14本の合わせて28本あります。(親知らずは除く)
インプラントは1本あたりの材料費が高価なため、失った28本をすべてインプラントにすると総額はどうしても高くなってしまいますね。インプラントCT画像
しかし、最近はインプラントの本数を減らしてやる方法も増えてきました。
例えばインプラントを14本を入れる代わりに4本だけインプラントをいれます。
そして入れ歯をインプラントにつけたロケーター(ボタンのような留め具)で固定する方法です。入れ歯もインプラントを4本入れることで小さくできます。また、動きもだいぶ少なくほぼ固定されている状態と変わりません。
この装置はインプラントオーバーデンチャーといいます。ロケーターアバットメント
インプラント義歯
特に年配の方は選ばれることが多くなりました。
利点としては主に2点あります。
1.費用面で14本入れる固定式のインプラントより費用が抑えられる。
2.歯磨きがしやすく、手が不自由でもお口の中をきれいにしやすい。
特に、2のメリットはご家族にも喜ばれることが多いです。長寿になることはもちろんいいことですが、介護に関わることも多くなりました。
その中でご家族でも義歯を取り外して歯磨きができることは、歯磨きがしやすくなります。
これは大きなメリットとなります。口腔内の清掃不良になると肺炎を起こしやすくなります。
特に年輩の方は嚥下機能が低下するため、むせることもできずに口腔内より細菌が気管に流れてしまいます。これを誤嚥性肺炎といい、亡くなることも多い危険な肺炎です。
お口の中をきれいにし、気管に流れる唾液をきれいにすることが誤嚥性肺炎の予防につながります。
歯周病の治療をしっかり行い、メンテナンスに通うことが大事になります。
少なくても半年に一回はきれいにしてください。最近の研究では、お口の中がきれいなことがコロナ感染症のリスクも下げることがわかってきました。
また、良く咬めることは胃腸の負担を減らし、認知症予防にもつながります。
良く咬めると将来の医療費は下げられると言われています。
インプラント治療は医療費控除が使えるので、所得により5~40%が還付されますのでぜひ申請してください。ぜひご自身にあった治療法を相談に来ていただけたらと思います。
祖師谷大蔵駅前歯科クリニック 歯科医師 大西
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